「久しぶりによく見たら、可愛かった多肉植物が別人のように伸びてしまった…」
「まるでモヤシみたいで可愛くない。もう捨てるしかないのかな?」
多肉植物を室内で育てていると、誰もが一度は経験するこの現象。購入時はぷっくりと可愛らしかった多肉植物が、気づいたら見る影もない姿に変わっていて、ショックを受けた経験はありませんか?これは「徒長(とちょう)」と呼ばれる状態です。
ショックを受けるかもしれませんが、安心してください。徒長した多肉植物は、捨てなくて大丈夫です。正しい知識と手順さえ知っていれば、必ず元の可愛い姿に戻すことができます。
むしろ、この徒長は「多肉植物を増やす絶好のチャンス」でもあります。正しい手順で「仕立て直し(カット)」をしてあげれば、元の可愛い姿に戻るだけでなく、一株からたくさんの赤ちゃん多肉を誕生させることができるのです。多肉植物愛好家の中には、わざと徒長させて増やす方もいるほどです。
この記事では、初心者の方でも絶対に失敗しない「徒長した多肉植物の復活方法」と、切った後の「増やし方」までをステップバイステップで解説します。さらに、徒長の原因を深く理解し、二度と同じ失敗を繰り返さないための予防策や、季節ごとの管理方法、品種別の注意点まで、実践的な情報を網羅的にお届けします。
この記事を読み終える頃には、あなたは徒長に関する正しい知識を身につけ、自信を持って多肉植物の仕立て直しができるようになっているでしょう。
そもそも「徒長(とちょう)」とは?なぜ伸びるの?
作業に入る前に、なぜこうなってしまったのか原因を知っておきましょう。原因を知らないと、仕立て直してもまたすぐに伸びてしまうからです。徒長のメカニズムを理解することが、美しい多肉植物を育てる第一歩となります。
徒長とは何か
徒長(とちょう)とは、植物が光を求めて茎や葉柄を必要以上に伸ばしてしまう現象のことです。多肉植物の場合、本来ならぎゅっと詰まっているはずの葉と葉の間隔(節間)が広がり、茎が細く長く伸びてしまいます。
健康な多肉植物は、葉がロゼット状(バラの花のように)に密に重なり合い、コンパクトで肉厚な姿をしています。しかし、徒長すると以下のような特徴が現れます。
- 茎が細く長く伸びる:本来の太さの半分以下になることもあります
- 葉と葉の間隔が広がる:スカスカで間延びした印象になります
- 葉が薄く小さくなる:肉厚さが失われ、ペラペラになります
- 色が薄くなる:本来の鮮やかな色が失われ、黄緑色になります
- 全体的にひょろひょろと弱々しい:自重を支えきれず、倒れてしまうこともあります
徒長の3大原因
- 日照不足(一番の原因):光が足りないため、植物が「光を求めて」上へ上へと茎を伸ばそうとした結果です。多肉植物は本来、日当たりの良い環境で育つ植物なので、室内の窓辺程度の光では不足することが多いのです。特に、北向きの窓や、カーテン越しの光しか当たらない場所では、徒長しやすくなります。
- 水のやりすぎ:水が多すぎると、細胞が膨張し、茎が急激に伸びやすくなります。多肉植物は乾燥地帯原産の植物なので、水を与えすぎると本来の姿を保てなくなります。「可愛いから」とつい毎日水をあげてしまうと、徒長の原因になります。
- 風通しの悪さ:空気が淀んでいると、植物がひ弱に育ちます。風通しが悪いと、土が乾きにくくなり、結果的に過湿状態になりやすくなります。また、蒸散作用が妨げられ、植物の代謝も悪くなります。
つまり、あなたの多肉植物は「もっと光が欲しいよ!」とSOSを出して背伸びをしていたのです。この健気なSOSに応えるためにも、綺麗に手術(仕立て直し)をしてあげましょう。
徒長しやすい品種と徒長しにくい品種
多肉植物の中にも、徒長しやすい品種と比較的徒長しにくい品種があります。これを知っておくと、育てる場所や管理方法を選ぶ際の参考になります。
徒長しやすい品種:
- エケベリア:特に室内管理では徒長しやすい。光を好む品種が多い
- セダム:成長が早く、光不足だとすぐに伸びる
- グラプトペタルム:茎が伸びやすい性質がある
- クラッスラ(金のなる木など):成長が早く、徒長しやすい
比較的徒長しにくい品種:
- ハオルチア:半日陰を好むため、室内でも育てやすい
- アロエ:比較的丈夫で、徒長しにくい
- サンスベリア:耐陰性があり、室内向き
- アガベ:成長がゆっくりで、徒長しにくい
徒長と成長の違い
初心者の方が混同しやすいのが、「徒長」と「正常な成長」の違いです。多肉植物も成長すれば当然茎は伸びますが、健康的な成長と徒長では、以下のような違いがあります。
健康的な成長:
- 茎は太く、しっかりしている
- 葉は肉厚で、色も濃い
- 葉と葉の間隔は詰まっている
- 全体的にバランスが良く、安定している
徒長:
- 茎は細く、ひょろひょろしている
- 葉は薄く、色も薄い
- 葉と葉の間隔が広がっている
- 全体的にアンバランスで、不安定
徒長を放置するとどうなる?
「徒長しているけど、まあいいか」と放置してしまうと、様々な問題が発生します。早めの対処が重要な理由を理解しておきましょう。
1. 株が弱り、病気や害虫に侵されやすくなる
徒長した多肉植物は、細胞が間延びして組織が弱くなっています。そのため、カビや細菌、害虫などに対する抵抗力が低下します。特に、風通しの悪い環境では、カビや腐敗のリスクが高まります。
2. 自重を支えきれず、折れてしまう
茎が細く長く伸びると、葉の重さを支えきれなくなり、ポキッと折れてしまうことがあります。特に、水やり後や、風が強い日などは要注意です。折れた部分から雑菌が入り、そのまま枯れてしまうこともあります。
3. 見た目が悪く、インテリアとしての価値が下がる
多肉植物の魅力は、そのぷっくりとした可愛らしい姿にあります。徒長してしまうと、その魅力が失われ、インテリアとしての価値も下がってしまいます。
4. 最悪の場合、枯れてしまう
徒長が進行すると、株全体が弱り、最終的には枯れてしまうこともあります。特に、夏の高温多湿や冬の低温時には、徒長した株は環境の変化に耐えられず、枯れるリスクが高まります。
【実践】徒長した多肉を復活させる「仕立て直し(胴切り)」の手順
伸びてしまった茎をカットして、作り直す作業を園芸用語で「仕立て直し」や「胴切り(どうぎり)」と呼びます。まるで手術のようですが、多肉植物は生命力が強いので、以下の手順で行えば初心者でも簡単です。
ベストな時期は「春」か「秋」
多肉植物(特にエケベリアやセダムなど)が元気に育つ「春(3月〜5月)」か「秋(9月〜11月)」に行うのが成功の秘訣です。この時期は、多肉植物の成長期であり、気温も適度で、カット後の回復が早いためです。
季節ごとの適性:
- 春(3月〜5月):◎最適。気温が上がり始め、成長が活発になる時期
- 夏(6月〜8月):△避けるべき。高温多湿で、カット後に腐りやすい。特に梅雨時期は厳禁
- 秋(9月〜11月):◎最適。気温が下がり始め、再び成長期に入る時期
- 冬(12月〜2月):△避けるべき。低温で成長が止まっており、回復が遅い
※真夏や真冬は植物が弱っているため、カットするとそのまま枯れるリスクがあります。どうしても冬に行う場合は、暖かい室内(15℃以上)で管理してください。また、夏に行う場合は、梅雨明け後の晴天が続く時期を選び、風通しの良い場所で管理しましょう。
用意するもの
作業を始める前に、必要な道具を揃えましょう。適切な道具を使うことで、作業効率が上がり、植物へのダメージも最小限に抑えられます。
- ハサミまたはカッター:切れ味が良く、清潔なもの。園芸用の剪定バサミがおすすめです。消毒用アルコールで拭いておくと安心です。切れ味が悪いと、切り口が潰れて回復が遅れます。
- ピンセット:葉を取る時に使います。手で取ると葉が傷つきやすいため、ピンセットを使うのがおすすめです。
- 新しい土:水はけの良い「多肉植物用の土」を用意しましょう。古い土を再利用すると、病原菌が残っている可能性があるため、必ず新しい土を使用してください。
- 新聞紙やトレイ:切った多肉を乾かす場所として使います。通気性の良いザルなどもおすすめです。
- 鉢:新しく植え付ける鉢を用意します。排水穴があるものを選びましょう。
- 割り箸やピンセット:土に穴を開けたり、細かい作業をする際に便利です。
- 手袋:多肉植物の中には、樹液でかぶれる品種もあるため、念のため手袋を着用すると安心です。
ステップ1:切る位置を決める
ここが一番悩みどころですが、思い切りが大切です。先端の「ロゼット(葉が花のように開いている部分)」が綺麗な形をしているなら、その少し下で切ります。
【重要ポイント】
根元の方に残る茎(切り株)にも、葉っぱを2〜3枚以上残して切るのがコツです。葉が残っている方が光合成ができるため、切り株から新しい赤ちゃん(子株)が出やすくなります。
切る位置の判断基準:
- 頭の部分:ロゼットがしっかりしていて、葉が密についている部分を残します。最低でも5〜6枚の葉があると安心です
- 茎の長さ:カットした頭の部分に、土に挿すための茎が2〜3cm残るように切ります
- 切り株:2〜3枚以上の葉を残します。葉が全くない状態だと、子株が出にくくなります
迷ったら、やや長めに残しておく方が安全です。後から再度切ることはできますが、短く切りすぎると取り返しがつきません。
ステップ2:ハサミを入れる(カット!)
決めた位置にハサミを入れ、スパッと切断します。ためらわず、一気に切るのがポイントです。何度も切り直すと、切り口が傷んでしまいます。
もし、切りたい位置に葉っぱが密着していてハサミが入らない場合は、先にその周囲の葉を優しくもぎ取って、茎(ハサミを入れるスペース)を確保してから切ります。
葉のもぎ取り方:
- 葉の付け根を指でつまむ、またはピンセットで挟む
- 左右に優しく揺らしながら、下方向に引っ張る
- 葉の付け根が茎から完全に離れるように取る(付け根が残ると、そこから腐る可能性があります)
ステップ3:下葉を整理する
カットした上部(頭の部分)の、切り口付近にある葉っぱを取り除きます。土に挿すための「持ち手(茎)」を1cm〜2cmほど作るためです。
ここで取った葉っぱも「葉挿し」に使えるので捨てないでください。健康な葉であれば、高確率で発根・発芽します。
下葉を取る際の注意点:
- 傷んだ葉や、色が変わっている葉は取り除く
- 健康な葉は、葉挿し用に別途保管する
- 葉の付け根が茎に残らないように、丁寧に取る
ステップ4:切り口を乾燥させる【最重要】
ここですぐに土に植えてはいけません!これは仕立て直しの成否を分ける最も重要なステップです。
切り口が湿ったまま土に植えると、そこから雑菌が入って腐ってしまいます。風通しの良い明るい日陰に、カットした多肉を転がしておき、切り口がカリカリになるまで乾燥させます。
乾燥期間の目安:
- 春・秋:3日〜1週間程度
- 夏:2〜3日程度(乾燥が早い)
- 冬:1週間〜10日程度(乾燥が遅い)
- 茎の太さ:太い茎ほど乾燥に時間がかかります
この間、水も土も必要ありません。多肉は体に水を溜め込んでいるので枯れません。むしろ、水を与えると腐る原因になります。
乾燥の確認方法:
- 切り口を軽く触って、カサカサしている
- 切り口の色が変わって、薄い膜のようなものができている
- 切り口から水分が染み出していない
乾燥中の管理:
- 場所:風通しの良い明るい日陰。直射日光は避ける
- 向き:切り口を上にして置く(切り口に水分が溜まらないように)
- 温度:15〜25℃が理想的
- 湿度:低めが良い。梅雨時期は特に注意
ステップ5:新しい土に植える
切り口がしっかり乾いたら、乾いた新しい土の上に置くように植え付けます(挿し木)。
植え付けの手順:
- 鉢の準備:鉢底に鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れます(排水性を高めるため)
- 土を入れる:多肉植物用の土を鉢の7〜8割程度入れます
- 穴を開ける:割り箸などで、茎を挿すための穴を開けます
- 植え付け:茎を穴に挿し込みます。深さは1〜2cm程度で十分です
- 土を足す:周りに土を足して、株を安定させます。強く押し固めないように注意
- 置き場所:明るい日陰に置きます
この時も、すぐに水はやりません。根っこが出ていないのに水をやっても吸えないからです。
水やりの開始時期:
- 目安:植え付けから1週間〜10日後
- 確認方法:軽く引っ張ってみて、抵抗があれば発根しているサイン
- 最初の水やり:少量から始め、徐々に通常の量に増やす
根付くまでは「明るい日陰」で管理しましょう。直射日光は避け、レースカーテン越しの光が当たる場所が理想的です。
捨てないで!切った後の「茎」と「葉」は宝の山
徒長した多肉をカットすると、3つのパーツに分かれます。これらは全て成長します。多肉植物の素晴らしいところは、どの部分からも新しい株を増やせることです。
1. 頭の部分(カットした上部)
上記の手順で植えれば、背丈の低い、形の整った「新しいメインの株」になります。早ければ2週間程度で発根し、1〜2ヶ月で安定した株に成長します。
管理のポイント:
- 発根するまでは明るい日陰で管理
- 発根後、徐々に日光に慣らしていく
- 最初の水やりは控えめに、徐々に通常量に
2. 根元の部分(葉を残した切り株)
絶対に鉢ごと捨てないでください!そのまま水やりを続けて管理していると、カットした断面や残した葉の付け根から、小さな赤ちゃん多肉(子株)がポコポコとたくさん出てきます。
群生(ぐんせい)した豪華な姿を楽しめるようになります。一つの切り株から、5〜10個以上の子株が出ることも珍しくありません。
切り株の管理方法:
- 水やり:通常通り、土が乾いたらたっぷりと与える
- 置き場所:明るい場所に置く。日光が当たることで、子株が出やすくなる
- 肥料:子株が出始めたら、薄めた液体肥料を月1回程度与えると成長が早まる
- 子株の処理:子株が大きくなったら(直径2〜3cm程度)、切り離して新しい株として育てることもできる
子株が出るまでの期間:
- 春・秋:2〜4週間程度
- 夏・冬:1〜2ヶ月程度(成長が遅い)
3. もぎ取った葉っぱ(葉挿し)
途中で取り除いた葉っぱは、乾いた土の上にパラパラと撒いておきましょう(葉挿し)。成功すれば、葉の付け根からピンク色の根と小さな芽が出てきます。時間はかかりますが、大量に増やすことができます。
葉挿しの手順:
- 葉の選別:健康で肉厚な葉を選ぶ。傷んだ葉や薄い葉は発根しにくい
- 乾燥:取った葉を2〜3日、明るい日陰で乾燥させる(切り口を乾かすため)
- 土の準備:多肉植物用の土を浅めのトレイや鉢に入れる
- 配置:葉を土の上に置く。切り口(付け根)が土に軽く触れる程度に置く。埋め込む必要はない
- 管理:明るい日陰で管理。土が完全に乾いたら、霧吹きで軽く湿らせる程度
- 発根・発芽:2週間〜1ヶ月で発根し始め、その後小さな芽が出てくる
- 植え替え:芽が1〜2cm程度に成長したら、個別の鉢に植え替える
葉挿しの成功率を上げるコツ:
- 健康で肉厚な葉を選ぶ
- 葉の付け根が完全に取れていることを確認する(付け根が残っていると発根しない)
- 直射日光を避ける
- 水やりは控えめに(土が湿りすぎると葉が腐る)
- 春か秋に行う(成功率が高い)
葉挿しに適した品種:
- 成功しやすい:セダム、グラプトペタルム、エケベリアの一部
- やや難しい:ハオルチア、アロエ
- 難しい:リトープス、コノフィツムなどのメセン類
このように、徒長した多肉植物一株から、複数の新しい株を作ることができます。「失敗」だと思っていた徒長が、実は「増やすチャンス」だったということに気づくでしょう。
もう二度と徒長させないための3つの対策
可愛く復活させたら、今度はその姿をキープしたいですよね。徒長を防ぐポイントは以下の3つです。これらを実践することで、コンパクトで美しい姿を長く保つことができます。
1. 日光を十分に当てる(ガラス越しに注意)
多肉植物は日光が大好きです。しかし、最近の窓ガラス(UVカットガラスやペアガラス)は紫外線を遮断しすぎるため、窓辺に置いていても光量不足になることがあります。
可能であれば春・秋は屋外に出すか、室内なら植物育成ライトを活用するのも一つの手です。
理想的な日照条件:
- 春・秋:1日4〜6時間の直射日光(屋外)、または明るい窓辺(室内)
- 夏:午前中の柔らかい日光、または明るい日陰。真夏の直射日光は葉焼けの原因になる
- 冬:できるだけ日光に当てる。ただし、夜間は窓辺から離す(冷気で傷む可能性があるため)
植物育成ライトの活用:
- 日照不足を補うための有効な手段
- LED式が省エネで発熱も少なくおすすめ
- 1日8〜12時間程度照射する
- 植物から20〜30cm程度離して設置する
置き場所の工夫:
- 南向きの窓:最も日当たりが良い。ただし夏は遮光が必要
- 東向きの窓:午前中の柔らかい日光が当たる。多肉植物に適している
- 西向きの窓:午後の強い日光が当たる。夏は注意が必要
- 北向きの窓:日照不足になりやすい。植物育成ライトの使用を推奨
2. 水やりを厳しくする
「土が乾いたらあげる」ではなく、「土が乾いて、さらに葉にシワが寄ってからあげる」くらいスパルタに育てると、引き締まった良い株になります。
特に室内管理の場合、土がなかなか乾かないため、水やりの頻度は「忘れた頃にあげる」くらいで丁度良い場合が多いです。
適切な水やりの方法:
春・秋(成長期):
- 土が完全に乾いてから、さらに2〜3日待ってから水やり
- 水やりの頻度:週に1回程度、または10日に1回程度
- 水やりの量:鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと
夏(休眠期または半休眠期):
- 水やりは控えめに。月に1〜2回程度
- 夕方以降の涼しい時間帯に水やり
- 高温多湿で腐りやすいため、風通しを良くする
冬(休眠期):
- 水やりは最小限に。月に1回程度、または断水
- 暖かい日の午前中に水やり
- 寒さで根が傷むため、水やり後は暖かい場所に移動
水やりの判断基準:
- 土の表面が乾いている
- 鉢を持ち上げて軽くなっている
- 葉に軽くシワが寄っている(水を欲しがっているサイン)
- 下葉が少ししぼんでいる
やってはいけない水やり:
- 毎日少しずつ水やり(根腐れの原因)
- 土が湿っているのに水やり
- 受け皿に水を溜めたまま放置
- 霧吹きだけで済ませる(根まで水が届かない)
3. 風通しを良くする
風通しが良いと土が早く乾き、植物の蒸散も促されます。サーキュレーターなどで空気を循環させると、徒長防止に非常に効果的です。
風通しを良くする方法:
- 窓を開ける:1日2回、朝と夕方に窓を開けて換気する
- サーキュレーター:室内の空気を循環させる。特に梅雨時期や冬場に有効
- 鉢の配置:鉢と鉢の間に適度な空間を作る。密集させない
- 棚の使用:風通しの良い棚に置く。床に直接置かない
風通しが悪いとどうなる?
- 土が乾きにくく、根腐れのリスクが高まる
- 病気や害虫が発生しやすくなる
- 徒長しやすくなる
- カビが生えやすくなる
品種別の徒長対策と仕立て直しのコツ
多肉植物は品種によって、徒長しやすさや仕立て直しの方法が異なります。主要な品種別のポイントをご紹介します。
エケベリア
特徴:ロゼット状に葉が広がる美しい品種。室内では徒長しやすい。
徒長対策:
- できるだけ屋外で管理する(春・秋)
- 室内では南向きの窓辺に置く
- 水やりは控えめに
仕立て直しのコツ:
- ロゼット部分を残してカット
- 切り株からは複数の子株が出やすい
- 葉挿しの成功率は品種によって異なる
セダム
特徴:小型で成長が早い。徒長しやすいが、回復も早い。
徒長対策:
- 日光にしっかり当てる
- 水やりは少なめに
- 定期的に剪定して形を整える
仕立て直しのコツ:
- 先端5〜10cmをカットして挿し木
- 残った茎からも新芽が出る
- 葉挿しも簡単で成功率が高い
グラプトペタルム
特徴:茎が伸びやすい性質がある。群生させると美しい。
徒長対策:
- 日光をたっぷりと
- 水やりは控えめに
- 風通しを良くする
仕立て直しのコツ:
- 先端をカットして挿し木
- 複数の茎をまとめて植えると群生風に
- 葉挿しも可能
よくある質問(Q&A)
仕立て直しに関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q. 徒長したまま放置するとどうなりますか?
A. 株が弱り、最悪の場合は枯れてしまいます。
茎が細く長く伸びると、自分の重さを支えきれずに折れてしまったり、抵抗力が落ちて病気や害虫の被害に遭いやすくなったりします。早めの仕立て直しをおすすめします。特に、夏の高温多湿や冬の低温時には、徒長した株は環境の変化に耐えられず、枯れるリスクが高まります。
Q. 乾燥させている間に葉っぱがシワシワになりました。大丈夫?
A. 問題ありません。
葉に蓄えた水分を使って生きている証拠です。土に植えて発根し、水を吸えるようになればパンと張った状態に戻ります。ただし、あまりにもシワシワになりすぎる場合は、乾燥期間が長すぎる可能性があるため、早めに植え付けましょう。
Q. 茎が木のように茶色くなっていますが、これも徒長ですか?
A. それは「木質化(もくしつか)」かもしれません。
年月が経って茎が茶色く硬くなるのは、植物が成長した証(木質化)であり、徒長とは違います。味わい深い姿としてそのまま楽しむのも良いですし、気になるなら同様にカットして更新することも可能です。木質化した茎は、徒長した茎よりも太く、しっかりしているのが特徴です。
Q. カットした後、切り口から透明な液体が出てきました。大丈夫ですか?
A. 問題ありません。
これは植物の樹液です。多肉植物の中には、カット後に樹液が出る品種があります。樹液が出た場合は、ティッシュなどで優しく拭き取り、そのまま乾燥させてください。ただし、樹液が大量に出続ける場合は、切り口が大きすぎる可能性があるため、注意が必要です。
Q. 仕立て直し後、どのくらいで新しい根が出ますか?
A. 環境にもよりますが、通常2〜4週間程度です。
春・秋の適期に行えば、早ければ1週間程度で発根することもあります。逆に、夏や冬に行った場合は、1ヶ月以上かかることもあります。発根の確認は、株を軽く引っ張ってみて、抵抗があれば発根しているサインです。
Q. 切り株から子株が出ません。失敗でしょうか?
A. 時期や環境によっては、時間がかかることがあります。
子株が出るまでには、通常2週間〜2ヶ月程度かかります。特に、冬場や夏場は成長が遅いため、気長に待ちましょう。また、切り株に葉が残っていない場合は、子株が出にくいことがあります。日光にしっかり当て、適度に水やりを続けていれば、いずれ子株が出てくるはずです。
Q. 葉挿しが全然発根しません。どうすればいいですか?
A. 環境を見直してみましょう。
葉挿しの成功率は、品種や環境によって大きく異なります。以下の点をチェックしてみてください。
- 葉の付け根が完全に取れているか(付け根が残っていると発根しない)
- 土が湿りすぎていないか(湿りすぎると葉が腐る)
- 直射日光が当たっていないか(葉が傷む)
- 時期は適切か(春・秋が最適)
- 品種は葉挿しに適しているか(品種によっては葉挿しが難しい)
多肉植物の育て方に関する参考情報
多肉植物の育て方や仕立て直しに関するより詳しい情報は、以下の公式サイトや権威あるページでも確認できます。
農林水産省の公式サイトでは、植物の基本的な育て方や、植物の生理に関する科学的な情報が提供されています。
また、一般社団法人日本家庭園芸普及協会の公式サイトでは、家庭園芸に関する幅広い情報が提供されており、多肉植物の育て方についても詳しく解説されています。
さらに、日本多肉植物の会の公式サイトでは、多肉植物に特化した専門的な情報や、愛好家同士の交流の場が提供されています。
これらの信頼できる情報源も活用しながら、あなたの多肉植物を健康的に育てていきましょう。
まとめ:徒長は失敗じゃない!増やす楽しみを見つけよう
ヒョロヒョロに伸びた多肉植物を見ると、「育て方が悪かったのかな」と落ち込んでしまうかもしれません。しかし、それは植物が生きようとした証であり、「もっと増やせるよ!」というサインでもあります。
徒長は、多肉植物からの「環境を改善してほしい」というメッセージです。このメッセージを正しく受け取り、適切に対処することで、あなたの多肉植物はより美しく、より健康的に育つでしょう。
今回のポイントのおさらい:
- 徒長の原因:日照不足、水のやりすぎ、風通しの悪さが主な原因。原因を理解し、環境を改善することが重要
- 仕立て直しの時期:春(3月〜5月)または秋(9月〜11月)がベスト。真夏や真冬は避ける
- 仕立て直しの手順:切る位置を決める→カット→下葉を整理→切り口を乾燥→植え付け。特に、切り口の乾燥は最重要
- 増やす楽しみ:切った頭の部分、切り株、葉っぱ、全てから新しい株が生まれる。一株から複数の株を作ることができる
- 徒長予防:日光を十分に当てる、水やりを厳しくする、風通しを良くする。この3つを徹底することで、コンパクトで美しい姿を保てる
勇気を出してハサミを入れれば、数ヶ月後には「親株」+「たくさんの子株」に囲まれた、より賑やかな多肉ライフが待っています。ぜひ、今週末にでも仕立て直しにチャレンジしてみてくださいね。
多肉植物の魅力は、その強い生命力と、増やす楽しみにあります。徒長という「失敗」を、「増やすチャンス」に変えることで、あなたの多肉植物ライフはより豊かで楽しいものになるでしょう。
最後に、多肉植物を育てる上で最も大切なのは、植物をよく観察することです。葉の色、形、ハリ、全体のバランスなど、日々の変化に気づくことで、適切なタイミングで適切な対処ができるようになります。あなたの多肉植物が、これからも元気に美しく育つことを願っています。


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