多肉植物の冬の水やり頻度|生育タイプ別の目安と失敗しないコツ

多肉植物

冬になると、多肉植物の水やりのタイミングに迷ってしまいませんか。

「冬は水やりを控える」と聞いたことはあるけれど、具体的にどのくらい減らせばよいのかわからない。完全に水を切るべきなのか、少しは与えた方がよいのか判断がつかない。そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

実は、多肉植物の冬の水やりには「生育タイプ」や「管理環境」によって明確なルールがあります。このルールを知らないまま一律に水やりを控えると、かえって株を弱らせてしまうこともあるのです。

この記事では、多肉植物の冬の水やりについて、生育タイプ別の頻度目安から人気品種ごとの具体的な管理方法、環境による調整のコツ、そして失敗を防ぐための実践テクニックまで徹底的に解説します。

さらに、水やりのタイミングを見極める方法や、やりすぎ・やらなすぎで起こるトラブルの見分け方と対処法もお伝えします。

この記事を読み終える頃には、冬の水やりに対する不安が解消され、あなたの多肉植物を元気に冬越しさせることができるようになるはずです。


多肉植物の冬の水やりが難しい理由と基本の考え方

冬の水やりで失敗する人が多い理由は、多肉植物の特性と冬の環境変化を正しく理解していないことにあります。まずは基本的な考え方を押さえましょう。

なぜ冬は水やりを減らす必要があるのか

多肉植物は葉や茎に水分を蓄える特性を持っており、一般的な観葉植物よりも乾燥に強い植物です。この特性は、原産地である乾燥地帯で生き延びるために進化したものです。

冬になると気温が下がり、多くの多肉植物は成長のペースを落とします。成長が鈍くなるということは、水分の消費量も減るということです。夏場のように活発に成長している時期と同じペースで水を与えると、吸収しきれない水分が土中に停滞し、根腐れの原因となります。

また、冬は気温が低いため土の乾燥スピードも遅くなります。夏なら数日で乾いていた土が、冬は1週間以上湿ったままということも珍しくありません。この状態で水やりを続けると、土が常に湿った状態になり、多肉植物にとって非常に過酷な環境となります。

多肉植物にとって「乾燥」は慣れた環境ですが、「過湿」は致命的なストレスになります。冬の水やりを減らすのは、多肉植物の本来の性質に合わせた管理をするためなのです。

冬型・夏型・春秋型で水やりが異なる理由

多肉植物は原産地の気候によって、大きく3つの生育タイプに分類されます。このタイプによって、冬の管理方法は大きく異なります。

春秋型は、春と秋の穏やかな気候で成長し、夏の暑さと冬の寒さでは成長を休む品種です。エケベリア、セダム、グラプトペタルムなど、最も一般的な多肉植物の多くがこのタイプに該当します。冬は休眠状態に入るため、水やりは大幅に減らす必要があります。

夏型は、暖かい季節に成長し、冬は休眠する品種です。カランコエ、アロエ、アガベ、ユーフォルビアの多くがこのタイプです。冬は完全に成長が止まるため、水やりはほぼ必要ありません。場合によっては断水も選択肢に入ります。

冬型は、涼しい季節に成長し、夏に休眠する品種です。アエオニウム、セネシオ、リトープスの一部などがこのタイプです。冬型は冬でも成長を続けるため、他のタイプとは逆に、冬でも定期的な水やりが必要です。

自分が育てている多肉植物がどの生育タイプに属するかを把握することが、冬の水やり管理の第一歩です。

「断水」と「控えめ」の違いを理解する

冬の多肉植物の水やりについて調べると、「断水」と「控えめにする」という2つの表現が出てきます。この違いを理解しておくことが重要です。

断水とは、文字通り水やりを完全にやめることです。主に夏型の多肉植物が冬に完全に休眠している場合や、極端に寒い環境(0度以下)で管理している場合に選択されます。断水中でも、月に1回程度、葉水(霧吹きで葉に水をかける)を行う場合もありますが、基本的には土への水やりは行いません。

控えめにするとは、水やりの頻度を減らすことです。完全に水を切るのではなく、通常の2〜3倍の間隔を空けて水やりを行います。多くの春秋型多肉植物や、室内で管理している場合に適した方法です。

どちらを選ぶかは、品種の生育タイプ、管理環境の温度、株の状態によって判断します。一律に「冬は断水」とするのは危険で、株によっては適度な水分がないと弱ってしまうこともあります。


生育タイプ別・冬の水やり頻度の目安

生育タイプによって冬の水やり方法は大きく異なります。ここではタイプ別に具体的な頻度目安を解説します。

春秋型の多肉植物の冬の水やり

春秋型は最も多く流通している多肉植物のタイプで、エケベリア、セダム、グラプトペタルム、パキフィツム、セデベリアなどが該当します。

冬の間は成長がほぼ停止し、休眠状態に入ります。この時期の水やりは、月に1〜2回程度が目安です。土が完全に乾いてから、さらに数日から1週間待ってから水を与えるイメージです。

室内で10度以上の環境を保てる場合は、月に2〜3回程度の水やりでも構いません。ただし、暖房の使用で土の乾燥が早まっている場合を除き、基本的には控えめを心がけてください。

屋外で5度以下になる環境で管理している場合は、月に1回以下、場合によっては完全に断水することも選択肢に入ります。気温が低いほど、水やりの頻度は落とす必要があります。

夏型の多肉植物の冬の水やり

夏型の多肉植物には、カランコエ、アロエ、アガベ、ユーフォルビア、パキポディウムなどが含まれます。これらは暖かい季節に活発に成長し、冬は深い休眠に入ります。

夏型の冬の水やりは、原則として断水または月に1回程度です。完全に成長が止まっているため、水を与えても吸収されず、根腐れのリスクだけが高まります。

ただし、室内で15度以上の暖かい環境を維持できる場合は、完全な休眠に入らないこともあります。その場合は月に1〜2回程度の水やりを行っても構いません。株の状態(葉のハリ、色)を観察しながら判断してください。

特にアガベやパキポディウムは寒さに弱い品種が多いため、冬場は水やりよりも温度管理を優先してください。

冬型の多肉植物の冬の水やり

冬型の多肉植物は、他のタイプとは逆に冬が成長期です。アエオニウム、セネシオ(グリーンネックレスなど)、コノフィツム、リトープスの一部などが該当します。

冬型は冬でも積極的に成長するため、他のタイプのように水やりを極端に減らす必要はありません。10日から2週間に1回程度の水やりを継続します。

ただし、日本の冬は冬型の原産地(主に南アフリカの冬雨地帯)と比べて寒すぎることがあります。0度以下になる環境では成長が鈍くなるため、その場合は水やり頻度を月に2回程度に調整してください。

冬型であっても、真冬の厳寒期(1〜2月)は成長が鈍ることがあります。株の成長の様子を観察しながら、水やり頻度を微調整することが大切です。

生育タイプ別・水やり頻度早見表

生育タイプ 代表的な品種 冬の水やり頻度 断水の可否
春秋型 エケベリア、セダム、グラプトペタルム 月1〜2回 低温時は可
夏型 カランコエ、アロエ、アガベ、ユーフォルビア 月0〜1回 推奨
冬型 アエオニウム、セネシオ、コノフィツム 10日〜2週間に1回 不可

この表はあくまで目安です。実際には管理環境や株の状態によって調整が必要です。


人気品種別・冬の水やり頻度一覧【保存版】

ここでは人気の多肉植物を品種別に取り上げ、冬の水やり頻度をより具体的に解説します。

エケベリア、グラプトペタルム系

エケベリアは多肉植物の中でも最も人気のある属で、ロゼット状の美しい姿が特徴です。グラプトペタルムも同様の姿を持ち、エケベリアとの交配種(グラプトベリア)も多く流通しています。

これらは春秋型に分類され、冬は休眠期に入ります。冬の水やりは月に1〜2回が目安です。土が完全に乾いてから1週間程度待ち、晴れた日の午前中に水を与えてください。

冬場でも日光に当てると紅葉が美しくなりますが、霜に当たると葉が傷むため、屋外管理の場合は霜よけが必要です。凍結の恐れがある環境では断水し、室内に取り込むことをおすすめします。

代表品種のローラ、桃太郎、ラウイ、七福神なども同様の管理で問題ありません。

セダム、グラプトセダム系

セダムは非常に丈夫な多肉植物で、グランドカバーとしても人気があります。虹の玉、オーロラ、乙女心などが代表的な品種です。

セダムも春秋型ですが、他の春秋型よりもやや寒さに強い傾向があります。冬の水やりは月に1〜2回で、エケベリアとほぼ同じ管理で問題ありません。

セダムは比較的水を好む品種も多いため、完全な断水は避けた方が無難です。月に1回は水を与えるようにしてください。ただし、屋外で凍結の恐れがある場合は断水も選択肢に入ります。

ハオルチア、ガステリア系

ハオルチアは窓(透明な部分)を持つ美しい品種で、室内栽培に向いています。オブツーサ、十二の巻、玉扇などが人気です。

ハオルチアは春秋型に分類されますが、直射日光を嫌い、他の多肉植物とはやや異なる性質を持ちます。冬の水やりは月に2〜3回と、他の春秋型よりもやや多めです。

ハオルチアは乾燥しすぎると窓の部分が曇ったり、根が傷んだりすることがあります。完全に断水するのは避け、土の乾燥を確認しながら定期的に水を与えてください。

室内の明るい場所で管理している場合は、冬場も比較的安定した成長を見せることがあります。その場合は通常の水やり頻度(10日〜2週間に1回)を維持しても構いません。

アエオニウム、セネシオ系(冬型)

アエオニウム(黒法師、夕映えなど)やセネシオ(グリーンネックレス、ドルフィンネックレスなど)は冬型に分類される品種です。

これらは冬が成長期であるため、他の多肉植物とは逆に、冬でも定期的な水やりが必要です。10日から2週間に1回程度の水やりを継続してください。

ただし、日本の真冬は原産地より寒いことが多いため、0度以下になる環境では成長が鈍ります。その場合は水やり頻度を月に2回程度に調整してください。

冬型は夏に休眠するため、夏場の水やりを控えることも重要です。生育サイクルを把握して、季節に合った管理を心がけてください。

カランコエ、アロエ系

カランコエ(月兎耳、胡蝶の舞など)やアロエは夏型に分類される品種です。

これらは冬に深い休眠に入るため、水やりは原則として断水または月に1回程度です。室内で管理し、ある程度の温度(10度以上)を保てている場合は、月に1回程度の水やりを行っても構いません。

アロエは比較的寒さに耐える品種もありますが、霜に当たると葉が傷みます。屋外管理の場合は霜よけをするか、室内に取り込んでください。

カランコエは寒さにやや弱いため、5度以下になる環境では室内管理が推奨されます。

サボテン類

サボテンは多肉植物の中でも特に乾燥に強く、冬の水やりは基本的に断水が推奨されます。

冬場は完全に成長が止まるため、月に1回以下、または完全に水を切っても問題ありません。特に玉サボテン(金鯱、兜など)は冬場の断水が基本です。

ただし、室内で15度以上の環境を維持できる場合は、月に1回程度の水やりを行っても構いません。

柱サボテンやウチワサボテンは品種によって耐寒性が異なるため、品種ごとの特性を調べて管理してください。


環境別・冬の水やり調整方法

同じ品種でも、管理環境によって水やり頻度は変わります。自分の環境に合わせた調整方法を理解しておきましょう。

室内管理と屋外管理の違い

室内で管理している多肉植物は、屋外と比べて環境が安定しています。急激な温度変化や霜にさらされる心配がなく、土の乾燥スピードも予測しやすいです。

室内管理の場合、室温が10度以上を維持できるなら、完全な断水は必要ありません。月に1〜2回の水やりを継続できます。ただし、暖房の使用状況によって調整が必要です。

屋外管理の場合は、気温の変化に応じた柔軟な対応が必要です。5度以下になる日が続く場合は水やりを控え、0度以下になる場合は断水を検討してください。また、霜が降りる環境では、霜よけや室内への取り込みも必要です。

暖房使用時の注意点

冬場に暖房を使用している部屋で多肉植物を管理している場合、いくつかの注意点があります。

暖房を使用すると室温は上がりますが、同時に空気が乾燥します。この乾燥により、土の表面は乾きやすくなりますが、土の内部はそれほど乾燥していないことがあります。表面の乾燥だけを見て水やりをすると、過湿になるリスクがあります。

また、暖房の温風が直接当たる場所は避けてください。温風が当たると葉の水分が急速に奪われ、ダメージを受けることがあります。

暖房を使用している環境では、通常よりもやや水やり頻度を上げても構いませんが、必ず土の内部まで乾燥していることを確認してから水を与えてください。

寒冷地と温暖地での調整

日本は南北に長く、地域によって冬の気候が大きく異なります。

温暖地(関東以南の太平洋側など)では、冬でも日中は10度を超える日が多く、霜が降りる日も限られています。このような地域では、屋外でも軽い霜よけがあれば多肉植物を冬越しさせることができ、月に1〜2回の水やりを継続できます。

寒冷地(東北、北海道、内陸部など)では、冬の気温が常に氷点下になることも珍しくありません。このような地域では、屋外管理は困難で、基本的に室内への取り込みが必要です。断水するか、室内で最低限の水やりを行うかのどちらかになります。

中間的な地域(関東内陸部、北陸など)では、年によって寒さの程度が変わるため、気温予報を確認しながら臨機応変に対応してください。

日当たりの良し悪しによる違い

日当たりの良い場所で管理している多肉植物は、光合成が活発に行われ、水分の消費量もやや多くなります。また、日光による温度上昇で土の乾燥も進みます。

このような環境では、冬でもやや頻度を上げて水やりを行っても構いません。月に2回程度を目安にしてください。

逆に、日当たりの悪い場所で管理している場合は、成長がさらに鈍くなり、土も乾きにくくなります。このような環境では、水やりをさらに控えめにし、月に1回以下を目安にしてください。

日照不足は徒長(間延び)の原因にもなるため、できるだけ日当たりの良い場所で管理することをおすすめします。


冬の水やりで失敗しないための7つのポイント

水やりの頻度だけでなく、方法にも冬ならではの注意点があります。以下の7つのポイントを守ることで、失敗のリスクを大幅に減らせます。

土が完全に乾いてから与える

冬の水やりで最も重要なのは、土が完全に乾いてから水を与えることです。表面だけでなく、土の内部までしっかり乾燥していることを確認してください。

指を土に2〜3cm挿し込み、湿り気を感じなくなってから、さらに数日待ってから水やりを行います。「乾いたら与える」ではなく「乾いてからさらに待って与える」が冬の基本です。

土の乾燥具合を正確に把握することが難しい場合は、水やりチェッカー(土壌水分計)の使用をおすすめします。


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天気の良い午前中に行う

冬の水やりは、必ず晴れた日の午前中に行ってください。

曇りや雨の日に水やりをすると、土がなかなか乾かず、過湿状態が長く続いてしまいます。また、夕方以降に水やりをすると、夜間に土が冷えた状態で湿っていることになり、根に負担がかかります。

晴れた日の午前10時から午後2時くらいの、その日の中で最も暖かい時間帯に水やりを行えば、日中のうちにある程度土が乾き、夜間の過湿リスクを減らせます。

水は常温のものを使う

冬場に水道から出したばかりの冷たい水をそのまま与えると、根が冷たさにびっくりしてダメージを受けることがあります。

水やりに使う水は、事前に室内に置いてから使うことをおすすめします。ペットボトルやジョウロに水を汲み置きしておき、室温と同じ程度の温度になったものを使用してください。

手で触って「冷たい」と感じない程度の水温であれば問題ありません。

鉢底から流れ出るまでたっぷり与える

冬だからといって、1回あたりの水の量を減らす必要はありません。水やりをするときは、鉢底から水が流れ出るまでしっかりと与えます。

少量の水をちょろちょろ与えるやり方では、土の表面だけが湿って内部は乾いたままという状態になりがちです。根が張っている土の深い部分まで水が届かず、結果的に根にダメージを与えることがあります。

頻度を減らす代わりに、1回の水やりではしっかり与える。これが冬の水やりの基本的な考え方です。

受け皿の水は必ず捨てる

水やり後、受け皿に溜まった水をそのまま放置するのは厳禁です。

溜まった水を放置すると、鉢底が常に水に浸かった状態になり、根腐れの原因となります。また、冬場は溜まった水が冷えて、根に低温ストレスを与えます。

水やり後30分から1時間以内に受け皿を確認し、水が溜まっていたら必ず捨てる習慣をつけてください。

株の中心に水をためない

ロゼット状の多肉植物(エケベリアなど)に水やりをするとき、株の中心(成長点)に水が溜まらないよう注意してください。

株の中心に水が溜まったまま気温が下がると、その部分が凍結してダメージを受けることがあります。また、水が溜まった状態が続くと、成長点が腐ってしまうこともあります。

水やりは株の周りの土に直接与えるか、溜まった水を軽く吹き飛ばすなどの工夫をしてください。

葉水は冬場は控える

夏場は葉水(霧吹きで葉に水をかけること)を行うこともありますが、冬場は基本的に控えた方が無難です。

葉についた水分が乾かないうちに気温が下がると、葉が傷む原因になります。特に屋外管理の場合や、室内でも夜間に気温が下がる環境では、葉水は避けてください。

どうしても埃を落としたい場合は、晴れた日の午前中に行い、夕方までに完全に乾くようにしてください。


水やりのタイミングを見極める4つの方法

「土が乾いたら」と言われても、具体的にどう判断すればよいか迷うことがあります。ここでは水やりのタイミングを見極める実践的な方法を紹介します。

葉のハリと色で判断する

多肉植物は水分が不足してくると、葉にサインが現れます。この変化を読み取ることで、水やりのタイミングを判断できます。

葉にハリがあってぷっくりしている状態は、水分が十分に蓄えられている証拠です。この状態で水やりをする必要はありません。

葉が少ししわしわになってきたり、触ったときにやや柔らかく感じたりする場合は、水分が減ってきているサインです。下葉(株の下の方についている古い葉)が特にしわしわになりやすいので、定期的にチェックしてください。

ただし、冬場は成長が止まっているため、夏よりも葉の変化がゆっくりです。明らかにしわしわになるまで待たず、やや張りが減ってきたかな、というタイミングで水やりを検討してください。

土の表面と内部の乾燥を確認する

土の乾燥状態を直接確認する方法も有効です。

まず土の表面を見て、完全に乾いて白っぽくなっているかを確認します。表面が湿っている場合は、まだ水やりは不要です。

次に、指を土に2〜3cm挿し込み、内部の湿り気を確認します。多肉植物用の土は粒が大きいため、指を挿し込みやすいはずです。指先に湿り気を感じる場合は、まだ内部は乾いていません。

表面も内部も乾燥していることを確認してから、水やりを行ってください。

鉢の重さで判断する

鉢を持ち上げて重さで判断する方法は、慣れてくると非常に便利です。

水やり直後の鉢と、しっかり乾燥した鉢では、かなり重さが違います。この重さの違いを手で覚えておくと、持ち上げるだけで水やりの必要性を判断できるようになります。

水やり直後の鉢の重さを「重い状態」として記憶しておき、持ち上げたときに「軽くなったな」と感じたら水やりのタイミングです。

この方法は、複数の多肉植物を管理している場合にも効率的です。

水やりチェッカーを活用する

より客観的に土の状態を把握したい場合は、市販の水やりチェッカー(土壌水分計)を使用する方法があります。

水やりチェッカーを土に挿すと、土の水分量を数値やメーターで表示してくれます。「水やりが必要」「まだ不要」といった判断を機械的に行えるため、初心者でも迷わずに水やりのタイミングを決められます。

特に多くの多肉植物を育てている場合や、品種ごとに水やり頻度が異なって管理が煩雑になりがちな場合には、水やりチェッカーがあると便利です。


冬の水やり失敗のサインと対処法

水やりの頻度を調整していても、失敗してしまうことはあります。やりすぎ・やらなすぎで起こる症状と、その対処法を知っておきましょう。

水のやりすぎサイン(根腐れ、徒長)

水のやりすぎで起こる代表的な症状が根腐れと徒長です。

根腐れの初期症状として、土が湿っているにもかかわらず葉に元気がない、下葉が黄色く変色して落ちる、株がグラグラと不安定になるといった変化が現れます。進行すると茎がブヨブヨになり、腐敗臭がすることもあります。

徒長(間延び)は、日照不足と水のやりすぎが組み合わさったときに起こりやすい症状です。通常はコンパクトに詰まっているはずの株が、縦に間延びして葉と葉の間隔が広がります。

根腐れが疑われる場合は、まず水やりを完全に止め、土を乾燥させます。症状が軽度であれば回復することもありますが、進行している場合は株を鉢から抜いて根の状態を確認し、傷んだ根を除去して新しい土に植え替える必要があります。

徒長してしまった株は元の姿には戻りませんが、先端を切って挿し木にすることで、新しい株を作ることができます。

水のやらなすぎサイン(しわしわ、下葉枯れ)

水のやらなすぎで起こる症状は、根腐れほど深刻ではありませんが、株を弱らせる原因になります。

葉がしわしわになるのは、水分が不足しているサインです。多肉植物は葉に水を蓄えているため、水分が減ると葉が萎縮します。軽度のしわしわであれば、水やりをすれば数日で回復します。

下葉が乾燥して枯れ落ちる症状も、水分不足のサインです。多肉植物は水分が不足すると、古い葉から水分を回収して新しい葉に送ります。その結果、下葉が枯れ落ちていきます。これは多肉植物の自然な生存戦略ですが、頻繁に起こる場合は水やりが足りていません。

根が完全に乾燥して枯れてしまった場合は、水やりをしても水を吸収できなくなります。この場合は、株を鉢から抜いて根の状態を確認し、傷んだ根を除去して、必要に応じて植え替えを行ってください。

症状別の回復方法

症状 原因 対処法
葉が黄変して落ちる 水のやりすぎ(根腐れ) 水やり停止、乾燥後に再開
茎がブヨブヨ 根腐れ進行 傷んだ部分を除去、挿し木
徒長(間延び) 水のやりすぎ+日照不足 胴切りして仕立て直し
葉がしわしわ 水不足 水やりで回復
下葉が乾燥して落ちる 水不足(軽度) 水やり頻度をやや増やす
根が乾燥して枯れている 長期間の断水 植え替え、新しい根を出させる

よくある質問(FAQ)

冬は完全に水やりをやめてもいいですか?

品種と管理環境によります。

夏型の多肉植物(カランコエ、アガベなど)で、室内でも10度以下になる環境であれば、断水しても問題ありません。むしろ断水した方が安全なケースも多いです。

春秋型の多肉植物(エケベリア、セダムなど)は、完全な断水は避けた方が無難です。月に1回程度は水を与えてください。

冬型の多肉植物(アエオニウム、セネシオなど)は、断水すると弱ってしまいます。10日から2週間に1回程度の水やりを継続してください。

室内と屋外で水やり頻度はどう変えればいいですか?

室内管理の場合、室温が安定しているため、目安通りの頻度(春秋型なら月1〜2回)で管理できます。暖房を使用している場合は、土の乾燥を確認しながらやや頻度を上げても構いません。

屋外管理の場合は、気温によって調整が必要です。5度以上を保てる環境なら月に1〜2回、5度以下になる日が多い場合は月に1回以下、0度以下になる場合は断水を検討してください。

冬でも肥料は与えた方がいいですか?

冬場の肥料は基本的に不要です。

多くの多肉植物は冬に成長が止まるため、肥料を与えても吸収されません。むしろ、吸収されない肥料が土中に残って根を傷める原因になることがあります。

肥料は成長期(春秋型なら春と秋)に与えるようにしてください。

水やりの代わりに霧吹きでもいいですか?

霧吹きは水やりの代わりにはなりません。

霧吹きで与えられる水分はごく少量で、土の表面を湿らせる程度です。多肉植物の根に水を届けるためには、鉢底から流れ出るまでしっかりと水を与える必要があります。

また、冬場の霧吹きは葉を傷める原因にもなります。葉についた水分が乾かないうちに気温が下がると、葉が傷んでしまいます。

水やりは頻度を減らしつつも、1回あたりはしっかり与えることを基本としてください。


まとめ

多肉植物の冬の水やりについて、この記事の要点を振り返ります。

冬に水やりを減らす理由は、多肉植物の成長が鈍くなること、土の乾燥が遅くなること、過湿による根腐れリスクが高まることです。「乾燥には強いが過湿には弱い」という多肉植物の本質を理解することが大切です。

生育タイプによって冬の管理は大きく異なります。春秋型は月1〜2回、夏型は断水〜月1回、冬型は10日〜2週間に1回が目安です。自分が育てている品種の生育タイプを把握してください。

環境によって水やり頻度は調整が必要です。室内か屋外か、暖房の有無、日当たり、地域の気候によって、基本の目安から増減してください。

水やりの方法にも注意点があります。土が完全に乾いてから与える、晴れた午前中に行う、常温の水を使う、たっぷり与えて受け皿の水は捨てる、株の中心に水をためない、葉水は控える。これらのポイントを守ることで、失敗のリスクを大幅に減らせます。

水やりのタイミングは、葉のハリ、土の乾燥、鉢の重さ、水やりチェッカーの4つの方法で見極められます。


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冬は多肉植物にとって休息の季節です。水やりを控えめにしながら、春の成長期に向けて体力を温存させてあげましょう。正しい知識があれば、あなたの多肉植物を元気に冬越しさせることができます。

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