「フィカス」という名前を聞いたことはありますか。ウンベラータ、ベンガレンシス、アルテシマ、ベンジャミン。これらはすべて「フィカス」の仲間です。
インテリアグリーンとして人気のこれらの植物が、実は同じ属に属していることをご存じでしたか。フィカスは種類が非常に多く、それぞれに個性的な魅力があります。しかし、種類が多すぎて「どれを選べばいいかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、フィカスの人気品種12種類を、特徴・育てやすさ・サイズ感とともに詳しく紹介します。さらに、目的別の選び方ガイドや、フィカス全般の育て方の基本まで解説します。
読み終える頃には、フィカスの種類について詳しくなり、あなたにぴったりの1鉢を見つけられるようになっているはずです。
フィカスとは?基本情報を押さえよう
まずは、「フィカス」とはどのような植物なのか、基本的な情報を押さえておきましょう。
フィカス=「ゴムの木」の仲間
フィカス(Ficus)は、クワ科フィカス属に分類される植物の総称です。日本では「ゴムの木」という名前でも親しまれています。
フィカス属は、世界に800種以上が存在するといわれる非常に大きなグループです。熱帯から温帯にかけて広く分布しており、観葉植物として流通しているものだけでも数十種類にのぼります。
「フィカス」という名前は学名に由来しており、園芸店やインテリアショップでは、「フィカス・ウンベラータ」「フィカス・ベンガレンシス」のように、属名+種小名で呼ばれることが多いです。
フィカスの共通する特徴
フィカス属の植物には、いくつかの共通する特徴があります。
茎や葉を切ると、白い樹液が出ます。この樹液は「ラテックス」と呼ばれ、ゴムの原料になることから「ゴムの木」という名前がついています。樹液に触れるとかぶれることがあるため、剪定時には注意が必要です。
全体的に丈夫で育てやすい品種が多いです。乾燥にある程度耐え、日当たりの悪い場所でも適応できるものが多いため、観葉植物初心者にも人気があります。
葉の形や大きさ、樹形のバリエーションが豊富で、インテリア性が高いのも特徴です。大型のシンボルツリーから、コンパクトな卓上サイズまで、さまざまなサイズで楽しめます。
フィカスが人気の理由
フィカスが観葉植物として人気を集める理由は、いくつかあります。
まず、インテリアとしての存在感です。大きな葉や美しい樹形は、部屋の雰囲気を一気におしゃれに変えてくれます。特に、ウンベラータやベンガレンシスは、カフェやショップでもよく見かける人気品種です。
次に、育てやすさです。多くのフィカスは、適度な日光と水やりがあれば、特別な知識がなくても育てることができます。初心者でも失敗しにくい品種が多いのは、大きな魅力です。
さらに、種類の豊富さも人気の理由です。葉の形、色、サイズ、樹形など、バリエーションが豊富なため、自分の好みやインテリアに合った1鉢を見つけることができます。
フィカスの人気品種12選【特徴・育てやすさ比較】
ここからは、フィカスの人気品種を12種類紹介します。それぞれの特徴と育てやすさを解説しますので、お気に入りを見つけてください。
フィカス・ウンベラータ
フィカス・ウンベラータ(Ficus umbellata)は、フィカスの中でも特に人気の高い品種です。
大きなハート型の葉が特徴で、その愛らしい見た目から「ハートリーフ」とも呼ばれます。葉は薄く、明るい緑色をしており、光を透かすと美しく輝きます。
カフェやおしゃれなインテリアショップでよく見かける品種で、ナチュラルな雰囲気のインテリアによく合います。
育てやすさは中程度です。明るい場所を好み、日照不足になると葉が落ちやすくなります。また、寒さにはやや弱いため、冬の管理には注意が必要です。
フィカス・ベンガレンシス
フィカス・ベンガレンシス(Ficus benghalensis)は、「ベンガルボダイジュ」とも呼ばれる品種です。
楕円形の葉は、表面に細かい産毛があり、独特の質感があります。葉脈がくっきりと見え、白い幹との対比が美しい品種です。
ウンベラータと並んで人気が高く、モダンなインテリアにもナチュラルなインテリアにも合います。
育てやすさは比較的高いです。日当たりを好みますが、ある程度の日陰にも耐えられます。丈夫で、初心者にもおすすめの品種です。
フィカス・アルテシマ
フィカス・アルテシマ(Ficus altissima)は、黄緑色の斑入りの葉が美しい品種です。
葉は楕円形で、緑色の地に黄緑色やクリーム色の斑が入ります。明るい印象で、部屋に置くと空間が華やぎます。
「アルテシーマ」「アルテシマ」など、表記にはバリエーションがあります。
育てやすさは高いです。日当たりを好みますが、耐陰性もあり、室内でも育てやすい品種です。丈夫で成長も早いため、初心者にもおすすめです。
フィカス・エラスティカ(インドゴムの木)
フィカス・エラスティカ(Ficus elastica)は、「インドゴムの木」として古くから親しまれている品種です。
肉厚で光沢のある大きな葉が特徴で、濃い緑色の葉は存在感抜群です。「ゴムの木」と聞いて多くの人がイメージするのは、この品種かもしれません。
育てやすさは非常に高いです。乾燥にも日陰にも強く、初心者でも失敗しにくい品種です。昔から観葉植物の定番として愛されています。
フィカス・リラータ(カシワバゴムの木)
フィカス・リラータ(Ficus lyrata)は、「カシワバゴムの木」とも呼ばれる品種です。
葉の形が柏の葉に似ていることからこの名前がつきました。大きく波打つ葉は、個性的で存在感があります。
海外では「フィドルリーフフィグ」と呼ばれ、インテリアグリーンとして非常に人気があります。
育てやすさはやや難しいです。日当たりと湿度を好み、環境の変化に敏感です。葉が傷みやすく、初心者にはやや難易度が高い品種です。
フィカス・ベンジャミン
フィカス・ベンジャミン(Ficus benjamina)は、「ベンジャミン」「ベンジャミナ」とも呼ばれる定番品種です。
小さな葉が密集してつき、樹形が美しいのが特徴です。編み込まれた幹の株も多く流通しています。
育てやすさは中程度です。環境の変化に敏感で、置き場所を変えると葉を落とすことがあります。一度環境に慣れれば、丈夫に育ちます。
フィカス・プミラ
フィカス・プミラ(Ficus pumila)は、つる性のフィカスです。
小さな葉がびっしりとつき、壁や支柱を這うように成長します。ハンギングや寄せ植えに向いており、他のフィカスとは異なる楽しみ方ができます。
育てやすさは高いです。乾燥にやや弱いですが、水やりに気をつければ、初心者でも育てられます。
フィカス・シャングリラ
フィカス・シャングリラ(Ficus vaccinioides ‘Shangri-La’)は、ベンジャミンの矮性品種です。
小さな葉がくしゃくしゃと縮れた独特の見た目が特徴です。コンパクトに育ち、卓上サイズで楽しめます。
育てやすさは高いです。丈夫で、初心者でも育てやすい品種です。
フィカス・バーガンディ
フィカス・バーガンディ(Ficus elastica ‘Burgundy’)は、エラスティカの園芸品種です。
新葉が赤紫色(バーガンディ色)をしており、成長するにつれて濃い緑色に変化します。シックな色合いが、モダンなインテリアによく合います。
育てやすさは高いです。エラスティカと同様に丈夫で、初心者にもおすすめです。
フィカス・ティネケ
フィカス・ティネケ(Ficus elastica ‘Tineke’)も、エラスティカの園芸品種です。
クリーム色、ピンク、緑色が混ざった美しい斑入りの葉が特徴です。華やかな印象で、インテリアのアクセントになります。
育てやすさは中程度です。斑入り品種は、緑葉の品種に比べて日光を多く必要とし、やや繊細です。
フィカス・ペティオラリス
フィカス・ペティオラリス(Ficus petiolaris)は、塊根植物としても人気のあるフィカスです。
根元が肥大して塊根(コーデックス)を形成し、ハート型の葉をつけます。赤い葉柄(葉の軸)が特徴的です。
育てやすさは中程度です。乾燥には強いですが、寒さには弱いため、冬の管理に注意が必要です。
フィカス・ルビギノーサ
フィカス・ルビギノーサ(Ficus rubiginosa)は、「ルビー」とも呼ばれる品種です。
小さめの楕円形の葉が密集してつき、こんもりとした樹形になります。葉の裏側が赤褐色を帯びているのが特徴です。
育てやすさは高いです。丈夫で、初心者にも育てやすい品種です。
フィカスの種類比較表【育てやすさ・サイズ・特徴】
| 品種名 | 育てやすさ | 最大サイズ | 葉の特徴 | おすすめポイント |
|---|---|---|---|---|
| ウンベラータ | ★★★☆☆ | 大型(2m以上) | 大きなハート型、薄い緑色 | おしゃれなインテリアに |
| ベンガレンシス | ★★★★☆ | 大型(2m以上) | 楕円形、産毛あり | 初心者にもおすすめ |
| アルテシマ | ★★★★☆ | 大型(2m以上) | 斑入り、明るい緑色 | 明るい印象に |
| エラスティカ | ★★★★★ | 大型(2m以上) | 肉厚、光沢あり | 定番の丈夫な品種 |
| リラータ | ★★☆☆☆ | 大型(2m以上) | 大きく波打つ、柏葉型 | 個性的な存在感 |
| ベンジャミン | ★★★☆☆ | 中〜大型 | 小さな葉が密集 | 美しい樹形 |
| プミラ | ★★★★☆ | つる性 | 小さな葉 | ハンギング向け |
| シャングリラ | ★★★★☆ | 小型 | 縮れた小さな葉 | 卓上サイズ |
| バーガンディ | ★★★★★ | 大型(2m以上) | 赤紫〜濃緑色 | シックな雰囲気 |
| ティネケ | ★★★☆☆ | 大型(2m以上) | 斑入り(クリーム・ピンク) | 華やかな印象 |
| ペティオラリス | ★★★☆☆ | 中型 | ハート型、赤い葉柄 | 塊根植物としても |
| ルビギノーサ | ★★★★☆ | 中型 | 小さな楕円形 | こんもりした樹形 |
目的別!フィカスの選び方ガイド
フィカスの種類がわかったところで、目的別の選び方を紹介します。
初心者におすすめのフィカス
観葉植物初心者には、丈夫で育てやすい品種がおすすめです。
エラスティカ(インドゴムの木)は、乾燥にも日陰にも強く、最も育てやすい品種の一つです。バーガンディも同様に丈夫で、シックな見た目が好みの方におすすめです。
ベンガレンシス、アルテシマも比較的育てやすく、初心者に人気があります。
大型のシンボルツリーにしたい場合
リビングのシンボルツリーとして、大きな植物を置きたい場合は、成長すると大型になる品種を選びましょう。
ウンベラータ、ベンガレンシス、アルテシマ、エラスティカ、リラータなどは、成長すると2メートル以上になることがあります。存在感のあるシンボルツリーとして楽しめます。
コンパクトに楽しみたい場合
卓上や狭いスペースでフィカスを楽しみたい場合は、小型の品種や、つる性の品種がおすすめです。
シャングリラは、コンパクトに育ち、卓上サイズで楽しめます。プミラは、つる性でハンギングにも向いています。
また、大型品種でも、小さな株を購入して、成長を楽しみながら育てる方法もあります。
個性的・珍しい品種を探している場合
定番品種ではなく、個性的な品種を探している方には、以下がおすすめです。
ペティオラリスは、塊根植物としての魅力もあり、コレクター向けの品種です。リラータは、大きく波打つ葉が個性的で、インテリアのアクセントになります。ティネケは、美しい斑入りの葉が華やかです。
インテリアスタイル別のおすすめ
ナチュラル・北欧スタイルには、ウンベラータ、ベンガレンシスがよく合います。明るい緑色の葉と、すっきりした樹形が、ナチュラルな空間に馴染みます。
モダン・インダストリアルには、バーガンディ、エラスティカがおすすめです。濃い緑色やシックな色合いが、モダンな空間にマッチします。
ボヘミアン・エスニックには、リラータ、ペティオラリスなど、個性的な形状の品種が合います。
フィカス全般の育て方の基本
フィカスは品種によって細かな違いはありますが、基本的な育て方は共通しています。
日当たり
多くのフィカスは、明るい場所を好みます。
直射日光が当たる場所よりも、レースカーテン越しの明るい間接光が理想的です。日当たりが悪いと、葉が落ちたり、徒長したりすることがあります。
ただし、エラスティカやベンガレンシスなど、耐陰性のある品種は、ある程度の日陰でも育ちます。
水やり
水やりは、土が乾いてから行うのが基本です。
フィカスは乾燥に比較的強い品種が多いですが、土が常に湿った状態は好みません。土の表面が乾いてから、たっぷりと水を与え、受け皿に溜まった水は捨てましょう。
冬は成長が鈍くなるため、水やりの頻度を減らします。
温度管理
フィカスは、暖かい環境を好みます。
多くの品種は、15度以上を保つのが理想的です。10度を下回ると、葉を落としたり、弱ったりすることがあります。冬は、暖かい室内で管理しましょう。
剪定
フィカスは成長が早い品種が多く、定期的な剪定が必要です。
伸びすぎた枝を切り戻すことで、樹形を整えることができます。剪定は、成長期(春〜夏)に行うのが適しています。
注意点:樹液に注意
フィカスの茎や葉を切ると、白い樹液(ラテックス)が出ます。
この樹液に触れると、肌がかぶれることがあります。剪定や植え替えの際は、手袋を着用し、樹液が肌につかないよう注意してください。また、ペットが誤って口にすると、中毒を起こす可能性があるため、ペットのいる家庭では注意が必要です。
FAQ—フィカスの種類に関するよくある質問
Q1: フィカスとゴムの木は同じですか?
はい、「フィカス」は「ゴムの木」の仲間の総称です。フィカス属に属する植物を、日本では「ゴムの木」と呼ぶことがあります。ただし、狭義の「ゴムの木」は、フィカス・エラスティカ(インドゴムの木)を指すことが多いです。
Q2: フィカスの中で最も育てやすいのはどれですか?
最も育てやすいのは、フィカス・エラスティカ(インドゴムの木)です。乾燥にも日陰にも強く、初心者でも失敗しにくい品種です。バーガンディやベンガレンシスも、比較的育てやすくおすすめです。
Q3: フィカスは室内で育てられますか?
はい、多くのフィカスは室内で育てることができます。ただし、明るい場所を好む品種が多いため、窓際などの明るい場所に置くことをおすすめします。日照不足になると、葉が落ちたり、徒長したりすることがあります。
Q4: フィカスの成長速度はどのくらいですか?
品種や環境によって異なりますが、フィカスは比較的成長が早い植物です。適切な環境で育てると、1年で数十センチ伸びることもあります。成長が早いため、定期的な剪定で樹形を整えることが大切です。
Q5: フィカスは猫や犬に有毒ですか?
フィカスの樹液には、ペットにとって有害な成分が含まれています。猫や犬が葉や茎をかじると、口内の炎症や消化器症状を引き起こすことがあります。ペットのいる家庭では、フィカスをペットの手が届かない場所に置くか、別の植物を選ぶことをおすすめします。
まとめ—あなたにぴったりのフィカスを見つけよう
この記事では、フィカスの種類について、人気品種12種類の特徴と育てやすさ、選び方のポイントを詳しく解説してきました。
重要なポイントを整理すると、フィカスは「ゴムの木」の仲間で、800種以上が存在する大きなグループです。観葉植物として人気の品種は、それぞれに個性的な魅力があります。
初心者には、エラスティカ、バーガンディ、ベンガレンシスなど、丈夫で育てやすい品種がおすすめです。大型のシンボルツリーにはウンベラータやベンガレンシス、コンパクトに楽しみたい場合はシャングリラやプミラが適しています。
フィカス全般の育て方の基本は、明るい場所に置き、土が乾いてから水を与え、暖かい環境を保つことです。樹液にはかぶれる成分が含まれているため、剪定時には注意してください。
この記事を参考に、あなたの好みやインテリア、育てやすさに合った1鉢を見つけてください。フィカスのある暮らしを、ぜひ楽しんでください。


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