【初心者必見】モンステラが伸びすぎたら?剪定(切り戻し)の方法と切った茎の増やし方を徹底解説

観葉植物

「気づいたらモンステラが天井に届きそうなくらい伸びてしまった」

「茎がひょろひょろと長く伸びて、形が崩れてしまった」
「横に広がりすぎて、部屋のスペースを圧迫している」

生命力が強いモンステラを育てていると、このような「伸びすぎ」の悩みに必ず直面します。愛着のある植物だからこそ、ハサミを入れるのは怖いですよね。でも、放置すると株が弱ったり、重みで倒れてしまったりする原因になります。

結論から言うと、伸びすぎたモンステラは「剪定(切り戻し)」をすることで、好みのサイズに仕立て直すことが可能です。しかも、切った茎を使って新しい株を増やす楽しみもあります。

この記事では、園芸初心者の方でも失敗しない「モンステラの剪定方法」と「その後のケア」、そして「切った茎の活用術」までを網羅的に解説します。これを読めば、あなたのモンステラは見違えるほど美しく生まれ変わります。

モンステラが伸びすぎる2つの原因とは?

対処法の前に、なぜあなたのモンステラが伸びすぎてしまったのか、その原因を知っておきましょう。原因によって、剪定後の管理場所が変わってくるからです。

1. 日照不足による「徒長(とちょう)」

最も多い原因がこれです。モンステラは耐陰性(日陰に耐える力)がある植物ですが、本来は明るい場所を好みます。

光が足りないと、植物は光を求めて茎を細く長く伸ばそうとします。これを「徒長(とちょう)」と呼びます。

  • 特徴:茎がヒョロヒョロと細い、葉と葉の間隔(節間)が間延びしている、葉が小さい、切れ込みが少ない。

この場合、剪定した後は今までよりも明るい場所に移動させる必要があります。

2. 本来の成長(つる性植物の特性)

モンステラはもともと、ジャングルで大きな木に絡まりながら上へ上へと伸びていく「つる性植物」です。環境が良く健康に育っている場合でも、支柱がなければ横に広がったり、支柱を超えて伸び続けたりします。

  • 特徴:茎が太くしっかりしている、葉が大きく切れ込みも深い、気根が太い。

これは健康な証拠ですので、剪定をしてサイズを整えれば問題ありません。

【実践】伸びすぎたモンステラの剪定(切り戻し)方法

それでは、実際に剪定を行っていきましょう。モンステラの剪定は、時期と切る位置さえ間違えなければ非常に簡単です。

ベストな時期は「5月~9月」

モンステラの剪定に最適な時期は、成長期である5月から9月の暖かい時期です。

この時期であれば、切った後の親株からの新芽も出やすく、切った茎の発根率も高まります。逆に、冬場にバッサリ切ってしまうと、成長が止まっているためダメージから回復できず、そのまま枯れてしまうリスクがあります。

※どうしても冬に切りたい場合は、室温が常に20℃以上保たれている環境であれば可能ですが、基本的には春を待つことをおすすめします。

用意するもの

  • 清潔な剪定バサミ:切れ味の悪いハサミや汚れたハサミは、切り口から雑菌が入る原因になります。アルコール消毒するか、火で炙って消毒しておきましょう。
  • 手袋(ゴム手袋など):モンステラの樹液には「シュウ酸カルシウム」が含まれており、肌に触れるとかぶれることがあります。必ず手袋を着用してください。
  • 癒合剤(ゆごうざい):切り口を保護する薬です(トップジンMペーストなど)。必須ではありませんが、あると病気を防げます。
  • 新聞紙やシート:樹液が床に落ちないように敷いておきます。

失敗しない「切る位置」のポイント【最重要】

ここが一番のポイントです。モンステラを剪定する際は、必ず「節(ふし)」を残して切る必要があります。

節(ふし)とは?

茎にある「膨らんだ線のような部分」のことです。ここが成長点となり、新しい芽や根が出てきます。

【切る位置の正解】
残したい株の方に「節」が残るように、節の少し上でカットします。

節のないツルツルした茎だけを残しても、そこから新芽は出てきません。必ず「節」を確認してからハサミを入れてください。

邪魔な「気根(きこん)」はどうする?

伸びすぎたモンステラは、茎から茶色い紐のような「気根」をたくさん出していることが多いです。
この気根は、空気中の水分を吸収したり、体を支えたりする役割がありますが、室内で育てる分には全て切ってしまっても生育に大きな問題はありません。

  • 見た目をスッキリさせたい場合:根元からバッサリ切ってOKです。
  • 株を元気にしたい場合:気根を土に誘導して埋めてあげると、土中の根として機能し、株の成長を助けます。

切った茎は捨てないで!モンステラの増やし方

剪定で切り落とした元気な茎は、捨てずに増やしてみましょう。モンステラは生命力が強いため、初心者でも簡単に増やすことができます。

1. 水挿し(水耕栽培)|一番簡単でインテリアにも

最も手軽な方法です。透明な花瓶や空き瓶に挿しておくだけで、涼しげなインテリアにもなります。

  1. 切った茎に「気根」がついている場合は、気根をつけたままにします(発根が早くなります)。
  2. 下の方の葉は水に浸かると腐るため取り除きます。
  3. 容器に水を入れ、茎を挿します。気根があれば気根も水に浸けます。
  4. 水は毎日、または2〜3日に1回交換し、清潔に保ちます。
  5. 1ヶ月ほどで新しい白い根が出てきます。そのまま水耕栽培で育てることもできますし、根が十分に伸びたら土に植え替えることも可能です。

2. 茎伏せ(くきふせ)|葉がない茎でも増える!

葉っぱがついていない、ただの茎(節がある部分)だけでもモンステラは増えます。これを「茎伏せ」といいます。

  1. 節を含んだ状態で茎を5cm〜10cm程度にカットします。
  2. 湿らせた水苔(ミズゴケ)の上に、茎を横にして寝かせます。
  3. 茎が半分くらい埋まるようにし、乾燥しないように管理します。
  4. プラスチックのパックなどに入れて湿度を保つと成功率が上がります。
  5. 数週間〜数ヶ月で、節から小さな可愛い新芽が出てきます。

3. 挿し木(さしき)|土に直接植える

最初から土で育てたい場合は挿し木がおすすめです。

  1. 切った茎の切り口を半日ほど日陰で乾かします(雑菌が入るのを防ぐため)。
  2. 観葉植物用の土や、赤玉土(小粒)に植え付けます。
  3. たっぷりと水をやり、明るい日陰で管理します。
  4. 根が張るまでは、グラグラしないように支柱を立てて固定するのがコツです。
  5. 新芽が展開してくるまでは、土を乾燥させすぎないように注意しましょう。

今後、モンステラを伸びすぎさせないための対策

剪定でスッキリした後は、再び形が崩れないように予防策を講じましょう。

1. 光の当たる場所を確保する

徒長を防ぐには、やはり日光が不可欠です。直射日光は葉焼けの原因になるため、レースのカーテン越しの柔らかい光が当たる場所がベストです。
また、光の方向に向かって伸びる性質があるため、定期的に鉢を回転させて、全体にまんべんなく光を当てると、バランス良く育ちます。

2. 支柱(ココスティックなど)を立てる

モンステラが横に広がるのを防ぐには、支柱を立てて上へ誘導するのが効果的です。

  • ヘゴ支柱・ココスティック:気根が絡まりやすく、モンステラが安定します。
  • 園芸用支柱:シンプルに茎をビニールタイや麻紐で固定します。

茎を固定する際は、締め付けすぎないように「8の字結び」にするのがポイントです。

よくある質問(Q&A)

Q. 剪定したのに新芽が出てきません。なぜですか?

A. 気温不足か、節がない可能性があります。
剪定時期が秋〜冬の場合、休眠期に入るため新芽が出るまで時間がかかります(春まで出ないこともあります)。また、切り残した茎に「節(成長点)」がない場合は、残念ながらそこから新芽は出ません。

Q. 葉っぱを全部切って、茎だけにしても大丈夫ですか?(丸坊主剪定)

A. 根が元気で暖かい時期なら大丈夫です。
これを「丸坊主」と呼びますが、モンステラは非常に生命力が強いため、根の状態が良ければ茎だけの状態からでも復活します。ただし、葉がないと光合成ができず水の吸い上げも悪くなるため、水やりは控えめにし、「土が完全に乾いてから」あげるようにしてください。

Q. 切った切り口から水のようなものが出てきますが平気ですか?

A. 問題ありません。
これはモンステラが元気な証拠でもあります。ただし、前述の通り樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれるため、床につかないように拭き取り、手につかないように注意してください。気になる場合は癒合剤を塗って止めましょう。

まとめ:伸びすぎたモンステラは再生のチャンス!

モンステラが伸びすぎてしまうのは、それだけ元気に育っている証拠でもあります。「切るのが可哀想」と思うかもしれませんが、適切な剪定は風通しを良くし、株をリフレッシュさせ、さらに健康に育てるために必要な作業です。

今回のポイントのおさらい:

  • 剪定は5月〜9月の暖かい時期に行う
  • 必ず「節」を残して切る
  • 樹液に触れないよう手袋をする
  • 切った茎は水挿しなどで簡単に増やせる

思い切って剪定を行い、自分好みの樹形に仕立て直してみてください。そして、増えたモンステラを友人にプレゼントしたり、別の部屋に飾ったりして、ボタニカルライフをさらに楽しみましょう!

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